胸腺細胞を用いた薬での治療
再生不良性貧血の治療には、免疫抑制剤を使用した投薬治療が行われますが、別の薬を用いた治療も確立されました。
この薬は、人の胸腺細胞を用いた抗胸腺細胞グロブリンと呼ばれる薬です。これは、胸腺細胞を馬などの動物に免疫して作られるものです。
アメリカの実験では、この薬が再生不良性貧血の治療に効果を発揮するということが明らかにされています。
では、この抗胸腺細胞グロブリンとはどのような薬なのでしょうか。
抗胸腺細胞グロブリンの効果
抗胸腺細胞グロブリンの効果は、リンパ球を抑制するというものです。再生不良性貧血は骨髄に異常をきたすことで血液中の成分を正常に作ることができなくなる病気ですが、骨髄に影響を与えている原因が、リンパ球ではないかと言われています。
このリンパ球を抗胸腺細胞グロブリンで抑制することで、骨髄の異常を抑え、血液中の成分を正常に作れるようにするのです。
また、抗胸腺細胞グロブリンは血液を作るうえで必要なホルモンの分泌を促す効果もあるため、再生不良性貧血に効果的なのです。
免疫抑制剤と併用すると効果が高まることも確認されています。
抗胸腺細胞グロブリンの副作用
抗胸腺細胞グロブリンは再生不良性貧血に効果的ですが、薬であるため副作用が出ることもあります。
抗胸腺細胞グロブリンを使った場合の副作用として挙げられるのが、アレルギーや不整脈があります。アレルギーはステロイドと併用した際に発熱などの症状として表れます。
また、免疫抑制剤と併用すると効果は高まりますが、副作用として肝障害を引き起こすこともあります。
病院ではこのような副作用も含めて、どの薬を使うかを検討しますが、副作用が出ることは覚悟しなければならないでしょう。
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