高齢者の貧血の原因

高齢者の貧血の原因

高齢者の貧血の原因

高齢者が起こす貧血には、若い人とは違った原因が元になっている場合があります。

 

高齢者の貧血とは

人間は加齢と共に造血量が低下しますが、70歳以降になると急激に造血量が低下し、赤血球数、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値が減少し、MCV(平均赤血球容積)、MCH(平均赤血球血色素量)は増加します。

 

高齢者の貧血の原因の大部分が老人性貧血、または続発性貧血と言われています。もし高齢者が貧血になった場合はMCV(平均赤血球容積)で原因を検査します。

 

MCVの数値が低い場合

鉄欠乏性貧血、慢性炎症による貧血、サラセミアや鉄芽球性貧血等の血液疾患が考えられます。高齢者の場合は感染症、悪性腫瘍、膠原病等の炎症貧血や栄養不足、慢性出血による鉄欠乏性貧血が殆どであり、鉄欠乏性貧血の過半数は炎症鎮痛剤や痔等の消化管出血が原因と言われています。

 

MCVの数値が正常の場合

慢性炎症性貧血、腎性貧血、白血病、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群等の血液疾患、老人性貧血の可能性があります。

 

老人性貧血は腎エリスロポエチン(赤血球を作る働きを促進するホルモン)産生能低下や骨髄の造血能低下など様々な要因が影響しており、原因が特定できない貧血の事で、長期間の診察により悪性腫瘍、MDS(骨髄異形成症候群)、膠原病などが顕在化する事があります。その為、経過観察が必要となります。

 

MCVの数値が高い場合

血液疾患や肝疾患、甲状腺機能低下症による貧血の可能性があります。また抗がん剤の投与をしている場合や、ビタミンB12または葉酸の欠乏によって貧血が起こっている可能性があります。ビタミンB12は加齢と共に吸収力が低くなり、もしプロトンポンプ阻害剤やH2拮抗剤を長期間服用している場合はより欠乏しやすくなります。

 

また、高齢者の葉酸欠乏はアルツハイマーやアルコール依存症等の食事摂取不良が原因と考えられます。

 

また、高齢者の場合は色々な病気にかかりやすくなる為、多種類の薬の投与を受けている場合が多く、薬剤性貧血になる場合も少なくありません。その為、医師の診断を受ける場合は処方箋薬局で発行してもらえる「お薬手帳」を提示し、どんな薬を飲んでいるかを知らせる必要があります。

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