溶血性貧血と骨髄
溶血性貧血は赤血球の寿命が短いことで起きる
溶血性貧血は赤血球の寿命が短くなることによって、赤血球の数が減少してしまい貧血状態になる病気です。
赤血球の寿命が短くなるというのは、赤血球が自然と壊れていくまでの時間が短くなる場合もあれば、なにかしらの影響を受けることで赤血球が血液中にとどまる時間が短くなる場合もあります。
このようにして赤血球は減少していきますが、寿命が少し短くなったとしてもすぐに貧血状態に陥るわけではありません。
溶血性貧血に陥る赤血球の寿命
血液中の赤血球の寿命が短くなることで赤血球が減少しますが、すぐには貧血になりません。その理由は骨髄の働きにあります。
血液中の赤血球が減少した場合、骨髄の赤血球を造り出す能力は通常の6倍から8倍になります。そのため、多少赤血球の寿命が短くなってしまっても、赤血球を造り出すスピードが上回るのです。
では、どのような場合に溶血性貧血という病気がおきるのでしょうか。それは、赤血球の寿命が15日から20日になってしまった場合です。ここまで短くなってしまうと、赤血球を造り出すスピードが追い付かなくなってしまうのです。
骨髄が過形成になる
溶血性貧血では骨髄にも異変が起きます。
赤血球の寿命が短くなりすぎることで、骨髄の造血のスピードが追い付かなくなったとしても、赤血球が少なくなっているため骨髄は赤血球を造り出そうと、普段以上の働きをします。
しかし、赤血球を造り出そうとするあまり、骨髄の過形成と呼ばれる変化が起きます。過形成とは、部位の細胞が増えることで、部位自体が大きくなってしまうことです。
これは管理栄養士の試験問題にも出題されるもので、溶血性貧血においては特徴的な変化とも言えます。
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