溶血性貧血とビリルビン
溶血性貧血で黄疸がでる理由
溶血性貧血では貧血症状のほかに黄疸が出ます。黄疸とは皮膚や眼球などが黄色っぽく変色するもので、体内に黄色い色素をもったビリルビンという物質が増えることで起きます。
つまり、溶血性貧血になると体内のビリルビンが増加するということです。なぜ、このようなことが起きるのでしょうか。
なぜビリルビンが増えるのか
溶血性貧血によってビリルビンが増加する理由は、ヘモグロビンにあります。
溶血性貧血では赤血球が破壊されます。それによって赤血球の数が減少して貧血症状が現れるわけですが、この時、赤血球内のヘモグロビンが大量に余った状態になります。しかし、これを放置しておくわけにもいかないため、肝臓で処理します。その時に造られるのがビリルビンです。
溶血性貧血では、貧血を起こすほどに大量の赤血球が破壊されるため、それだけ大量にビリルビンが造られる状態になるのです。
ビリルビンは黄疸を引き起こすだけではない
ビリルビンが増えることで黄疸が出ます。黄疸は皮膚の色が変わる程度なので、それほど大きな症状にはなりません。しかし、安心して黄疸を放置することは危険です。ビリルビンは黄疸を引き起こすだけではありません。
まず、ビリルビンは肝臓で造られますが、ヘモグロビンを大量に処理しているため、少なからず肝臓にも負担がかかります。
また、ビリルビンは胆のうに溜まります。すると、胆のうで結石が造られることもあるのです。
このように溶血性貧血は貧血症状にとどまらず、様々な症状を引き起こすことがある病気です。貧血だからと安心はできないのです。
貧血と黄疸は溶血性貧血のサインかもしれないので、見逃さないようにしましょう。
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