鉄芽球性貧血と骨髄
鉄芽球性貧血は特殊な貧血
鉄芽球性貧血は一般的な鉄分が不足することで発症する貧血に比べると特殊な貧血です。というのも、鉄芽球性貧血は鉄分が充分であっても発症するものだからです。これは鉄分をうまく使うことができないことで、赤血球が減少してしまい貧血になります。
原因は非常に特殊ですが、鉄芽球性貧血は発症した後も特殊な現象が起きます。
骨髄中に特徴が表れる
鉄芽球性貧血における特殊な現象は骨髄中に現れます。骨髄中に環状鉄芽球と呼ばれる異常な赤芽球が発生するのです。環状鉄芽球は通常時では見られないもので、赤芽球のミトコンドリアに鉄が異常に蓄積されることで造られます。
鉄芽球性貧血の特徴の一つとも言えるものであり、鉄芽球性貧血の検査の際には環状鉄芽球の有無も調べます。
遺伝性の場合の治療方法
鉄芽球性貧血は症状も貧血症状が主であり、治療をすれば完治するため、それほど重い病気ではないように感じてしまいますが、実際は非常に厄介な病気です。
鉄芽球性貧血は先天性と後天性があります。治療をすれば完治するのは後天性であり、先天性、つまり遺伝性の場合は治療方法がありません。多くの場合は輸血などで対応しますが、決して病気自体が治るものではありません。
遺伝性の鉄芽球性貧血の治療で有効なものとして、骨髄移植が挙げられます。これによって血液が造られる根本から改善するのです。
しかし、遺伝性の鉄芽球性貧血の治療で骨髄移植が行われた例は数件であり、いずれも有効だったとされていますが、鉄芽球性貧血は鉄過剰症を引き起こしている可能性があり、合併症によって命を落とす危険性も考えられるため、事前に処置をしておく必要があると考えられています。
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