鉄芽球性貧血の診断
鉄芽球性貧血とは
鉄芽球性貧血とは、鉄をうまく使うことができなくなるために起きる貧血です。鉄分は赤血球やヘモグロビンを作り出す際に必要な栄養素です。鉄分が不足すると赤血球とヘモグロビンが減少し、体内に酸素を送ることができないため、体中が酸欠状態になります。これが一般的な鉄欠乏性貧血です。
しかし、鉄芽球性貧血は鉄分を十分に摂取していても、鉄分を使って赤血球を作ることができないため、同様の貧血症状を起こすのです。
鉄芽球性貧血の検査内容
鉄芽球性貧血の検査では、血液検査と骨髄検査が行われます。
血液検査では、まず血清鉄の数値を測定します。鉄芽球性貧血では鉄分が利用できないのと同時に、血清鉄も利用できなくなるため、血液中の血清鉄の数値が高くなります。
また、骨髄検査では環状鉄芽球が存在するかを検査します。通常は非ヘム鉄からヘム鉄に変化しますが、鉄芽球性貧血ではこの変化が行えません。そのため非ヘム鉄が多くなり、それが環状、つまり輪を描いた特殊な状態になります。
鉄芽球性貧血は、これらの検査の結果から診断が行われます。
症状が悪化すると合併症を起こす
鉄芽球性貧血は、鉄を利用できないために赤血球が作られないため、症状としては鉄欠乏性貧血と同じような貧血症状を起こします。症状だけでみればたいしたことはないと感じてしまいがちですが、鉄芽球性貧血には恐ろしい症状が潜んでいます。
鉄分は十分摂取していても、それを使うことができないということは、鉄分が体内に溜まっていくということです。溜まった鉄分は身体の様々な箇所に沈着します。もし膵臓に沈着すれば糖尿病を併発してしまうこともあります。
このように合併症にも発展する恐れがあるため、鉄芽球性貧血は早めに検査を受けて、きちんとした診断をしてもらうべきです。
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