巨赤芽球性貧血の治療薬

巨赤芽球性貧血は葉酸とビタミンB12が不足することで発症する病気です。そのため、治療には、葉酸やビタミンB12を摂取することができる治療薬によって治療が行われます。

この治療薬は注射によって投与するものであり、葉酸の場合のみ経口投与をすることができます。

合併症などを引き起こさない限りは、治療薬による治療のみが行われます。

巨赤芽球性貧血の治療の際には、なぜ治療薬を注射によって投与するのでしょうか。

ビタミンB12はよほどの偏食などではない限り、食べ物から摂取することができる栄養素です。そのため、普通に生活していれば不足することのない栄養素なのです。

しかし、巨赤芽球性貧血の場合にはビタミンB12が不足している。これはなぜかというと、摂取していても吸収されていない状態になっているのです。この状態は小腸や胃を切除した場合などに起こります。

ビタミンB12を口から摂取しても吸収されないため、治療では注射によって投与することで吸収率を高めるのです。

また、治療の際の治療薬の使い方には注意が必要です。それは葉酸とビタミンB12を同時に摂取しないことです。

ビタミンB12は細胞分裂や神経系の正常な働きをさせるためなどに必須の栄養素ですが、葉酸を分解する際にも必要となる栄養素です。そのため、同時に投与してしまうと、葉酸の分解のためにビタミンB12が使われてしまい、結局ビタミンB12が不足した状態になってしまうのです。

これではビタミンB12を投与した意味がなくなってしまいますし、症状が回復しないため、葉酸とビタミンB12の同時投与は行わず、まずビタミンB12の治療薬の投与から行われます。