小球性低色素性貧血との種類と症状について
小球性低色素性貧血とは
赤血球の大きさが正常よりも小さく、赤血球に含まれるヘモグロビンの濃度が減少している貧血の事をさします。
赤血球の大きさは通常であれば直径が7-8μmで厚さが2μm強ほどの両面の中央がへこんだ円盤状で、血液1μLあたり、成人で420554万個、成人女性では384488万個程度と血液の体積の40 %〜50%を赤赤血球の体積が占めています。この、赤血球の大きさが通常よりも小さくなった状態の事を小球性低色素性貧血と言います。小球性低色素性貧血には鉄欠乏性貧血や鉄芽球性貧血があります。
鉄欠乏性貧血の症状と治療
鉄欠乏性貧血を識別するためには血液中の赤血球の数やヘモグロビンが低い状態の事を言います。ヘモグロビンは肺から取り込んだ酸素と結合して、全身の隅々まで、酸素を送り届けますが、このヘモグロビンを造るのには鉄が必要です。この鉄分が不足することによって、合成が阻害されます。
鉄分が不足してしまう原因にはいくつか原因がありますが、病気によるものがあります。胃や十二指腸潰瘍の潰瘍や痔、ガンなどにより消化管などから出血が起き貧血が起きたり、女性の月経による出血というものもあります。
その他には、鉄の摂取不足による鉄不足や、胃の手術等に伴う吸収の阻害というものもあります。女性の場合には妊娠により、鉄の需要が増えることで鉄が不足してしまうという事もあります。
症状としては動悸や息切れ・疲労感や頭痛痛や爪や唇や肌の乾燥や髪の毛が抜けやすいといった症状が起こることがあります。
治療としては内服薬で鉄分を摂取したり、注射や重度の場合には点滴を打ったりします。内服薬では副作用が起こる場合があり、吐き気や腹痛、便秘などが起こる場合には医師に相談をしてください。
また、生活上の注意として、動物性の肉や魚に含まれる「ヘム鉄」と緑黄色野菜や、穀類、海藻に含まれる「非ヘム鉄」があります。ヘム鉄の方が吸収率が良いのですが、植物性食品と動物性食品との組み合わせで、非ヘム鉄の吸収が増加することからバランスの良い食事を心がけるようにするのが良いでしょう。
鉄芽球性貧血の症状と治療
ヘム鉄の合成が上手くできない為に起こる貧血です。一般的に骨髄の異型性症候群の一部で、先天性のものと後天性のものがあります。この貧血の症状としては鉄量が十分あるのにもかかわらず、骨髄で鉄の利用が不十分である鉄利用傷害性貧血になります。特徴としては骨髄異形症候群の一部で、遺伝の場合と薬物(ファイクロセリン)などの服用によって二次的におこることがあります。
鉄芽球性貧血は、小球性貧血またはRWD(赤血球の分布幅を示すもの)が高い貧血患者において疑われます。(赤血球産生低下に貧血。)この場合、骨髄の検査が必要で、赤芽球過形成を示す染色体により、発育中の赤血球内に置いて、核の付近に存在する鉄で満たされた疾病特徴的ミトコンドリアというものが明らかになります。
症状としては鉄欠乏貧血と同様に動機や息切れ、脱力感の他、全身倦怠感や顔面蒼白等があります。治療法としてはビタミンB6(ピリドキシン)の投与で遺伝性の貧血はヘモグロビン値に改善が見られます。また、後天性においてもB6(ピリドキシン)の投与で有効性が認められることもあります。
発展していく貧血状態では経過観察を行っていきますが、二次性の貧血の場合にはその原因(薬物の摂取をやめたり、アルコールをやめる)といった、原因を突き止める事が大切になります。
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